ペインクリニックでブロック注射を10回以上受けている。このまま続けて大丈夫なのか、不安になりますよね。
結論から言うと、問題ありません。専門医がしっかりと患者さんの状況を見極めながら治療を進めているからです。
医師による総合的な判断
専門医は患者さんの症状に合わせて治療計画を立て、以下の点を総合的に判断しています。
- ブロック注射を続けても良いか
- 痛みの軽減効果が十分得られているか
- 副作用やリスクが許容範囲内か
- 注射の間隔や投薬の調整

医師の判断のもと、一定間隔での継続は立派な治療選択肢の一つ。
痛みが長期間続く場合は、他の治療法との組み合わせも効果的です。
当院の総合的なアプローチ
当院では、ブロック注射だけでなく複数の治療を併用しています。
理学療法
- 電気治療(低周波・干渉波)
- ストレッチやリハビリ運動
- 姿勢修正指導
食事療法
- 生活習慣の改善指導
- 骨粗鬆症予防の食事
- 筋力低下を防ぐ栄養指導
痛みとメンタル、密接な関係

何回もブロック注射を繰り返していると、こんな気持ちになりませんか?
「他の患者さんは治っているのに、なんで自分だけ…」
「いつまで続けるんだろう」
痛みが強いと焦ってしまうし、早く治りたいと思うのは当然。その辛い気持ち、全部吐き出してしまいましょう。
痛みとメンタルはとても密接。気持ちを表に出すことでリラックスでき、治療にも前向きになれます。
実は、これが治癒への近道でもあるんです。
ブロック注射の本当の効果
「ブロック注射って一時的な痛み止めでしょ?」よく聞かれる質問です。
確かに麻酔薬を使うので一時的な面もありますが、それだけではありません。
ブロック注射の真の効果は、興奮した神経を落ち着かせ「痛みの悪循環」を断ち切ることにあります。
痛みの悪循環とは
「痛み」→「神経が興奮」→「血管や筋肉が緊張」→「血行悪化」→「痛みが増す」
このサイクルが延々と続いてしまう状態。体が痛みで興奮状態を起こし、緊張が続いてしまっているんです。
麻酔でこの悪循環を断ち切ると、血行が改善。
麻酔が切れても注射前より患部の状態が良くなっているため、痛みが和らぎます。
何回か繰り返すことで、1回目より2回目、3回目と緊張がほぐれ、血行も改善。これが治癒への道筋です。
効果の持続時間は人それぞれ
ブロック注射の効果、効果がどのくらい続くかは患者さん一人ひとりで全然違います。
数時間の場合もあれば、1週間以上続く場合も。多くのケースでは以下の傾向があります。
- 治療開始が早く軽症→比較的少ない回数で済む
- 痛みを我慢して治療が遅れた場合→持続時間が短く、回数が多くなりがち
動かしながら回復を目指す
ブロック注射で痛みが軽減されている間が大切。
痛くて動かさなくなってしまった筋肉を、無理のない程度に動かしていきましょう。痛みの出ない体づくりが目標です。

最後に大切なこと
注射の間隔や回数は、必ず医師の指示に従ってください。
「何回やっても変わらない」「10回やったからもうやめる」など、自己判断での中断は禁物。
医師と相談しながら治療期間や方針を決めていくことが、最良の結果につながります。
一人で抱え込まず、不安なことがあればいつでもご相談ください。一緒に痛みのない生活を目指していきましょう。
記事の監修
医師 田部田 英之
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任
2025年 荻窪 痛み&リハビリクリニック院長就任
