帯状疱疹の発疹が治った後も続く痛みは治療できます。今回は、その正体と対策方法、
治療方法を徹底解説します。
ピリピリ、ジンジン、あるいは焼けるような痛み。衣服が擦れるだけでも耐え難い慢性的な痛みに悩まされている場合、それは帯状疱疹の最もやっかいな後遺症の一つです。
帯状疱疹後神経痛の原因、症状、そして「大丈夫なのか?」という疑問への回答、さらに具体的な治療法と日常生活での対策について、詳しく解説していきます。

なぜ発疹が治っても痛みが残るのか?
「発疹が治った後も痛みが続く」状態は、帯状疱疹後神経痛と呼ばれ、一般的に皮膚症状が治癒した後も3ヶ月以上痛みが
持続する場合に診断されます。
帯状疱疹が発症するメカニズム
帯状疱疹の原因となるのは「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが、免疫力の低下などをきっかけに再活性化し、神経節に潜んでいたウイルスが神経に沿って移動し、皮膚に発疹を引き起こします。この再活性化したウイルスは神経自体を攻撃し、深刻なダメージを与えます。発疹が治っても痛みが残るのは、この神経の損傷が完全に修復されず、痛みの信号を処理する機能に異常が残ってしまうためです。
帯状疱疹の後遺症
痛みの過敏な状態で損傷した神経は、過剰に興奮しやすい状態になります。これにより、本来は痛みを感じないような軽い刺激(アロディニア)、例えば服に触れる、風が当たる、といった刺激でも、脳が「痛み」として認識してしまいます。また、自発的な痛み(何もしなくても感じる痛み)が生じることもあります。
帯状疱疹後神経痛は命に関わる病気ではありませんが、このような痛みが慢性化すると睡眠障害、食欲不振、意欲の低下、うつ状態に陥り、QOL(生活の質)が大きく低下してしまいます。
帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の治療
帯状疱疹の後遺症を残さないためには早期の受診と治療が重要です

「大丈夫だろう」「時期に治るだろう」と痛みを我慢せず、速やかに専門の医療機関を受診しましょう。
帯状疱疹の急性期(発疹が出ている時期)の早い段階から、適切な痛み対策を行うことが、帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐ上で極めて重要とされています。また、帯状疱疹後神経痛に移行してしまった場合でも、ブロック注射やリハビリ、服薬などの治療によって痛みをコントロールし、QOLを改善することは十分に可能です。
